ライジングは、『戦争写真家ロバート・キャパのこと』というタイトルで、20世紀最高の戦争写真家キャパの人生について触れました。
http://ch.nicovideo.jp/yoshirin/blomaga/ar1618354
以前の展覧会で、穏やかな顔でベッドに眠る恋人ゲルダを撮った、キャパのものすごく優しいまなざしの一枚を見て、戦場写真とのギャップにやたらと人間的な興味をそそられた記憶があります。
かるく補足しておきますと、
1944年6月6日、記事のなかで紹介した「ノルマンディー上陸作戦」に従軍し、銃弾の雨あられ、すぐそばでどんどん兵士が撃たれて死んでいく中で、自分も海に飛び込んで上陸しながら写真を撮影したキャパは、
ヘミングウェイと一緒にパリ市内に凱旋し、8月24日、ドイツ軍から解放された祝賀パレードの様子を撮影。その時の一枚も、とても有名だと思います。(東京都写真美術館の壁画にもなっています)
強制収容所に収容された父子の姿を描いた、ロベルト・ベニーニ監督の名画『ライフ・イズ・ビューティフル』(1997年・イタリア)で、父を虐殺されたものの生き残ったユダヤ人の息子が、兵士に抱きかかえられて戦車の上に座るラストシーンがありますが、キャパのこの写真から着想を得ているのではないかと思います。
キャパは、祝賀に沸くパリに残ることはなく、1945年3月24日には、アメリカ軍に従軍、今度は空から、ドイツ国内にパラシュートで降下。その様子も含めて写真を撮っていきました。
ベトナムで地雷を踏む直前までは、毎日新聞社の招待で6週間の予定で日本にいました。日本各地を撮った写真も多数あります。急きょインドシナ戦争の取材に行くことになり、予定を早めて飛び立ったキャパは41歳で戦場に散りました。
マグナム・フォトが、50枚ほど、キャパの作品をネットに公開しているので、興味のある方はご覧になってはいかがでしょうか。
https://pro.magnumphotos.com/C.aspx?VP3=CMS3&VF=MAGO31_10_VForm&ERID=24KL535353
マグナム・フォトは、ロバート・キャパが、アンリ・カルティエ=ブレッソン、ジョージ・ロジャーなど名立たる写真家らとともに組織した国際的な写真家組織で、いまも報道写真の名手たちがジャーナリズムを牽引しています。
ちなみに私がはじめて買った大判写真集がアンリ・カルティエ=ブレッソンで、超超超大好きです。